ヒゲの直径は0.1mm、カミソリの薄さは0.08mm。髭剃りの科学
ヒゲについて
髭には、硬い毛と産毛の二種類の毛があります。
硬い毛の間に、色素に乏しい直径0.01mm程度のごく細い産毛が分布しています。硬い毛の太さは、直径0.1~0.23mm。色素を有する柔軟な毛皮質の周りを硬いうろこ状の外層(キューティクル)が取り囲んでいます。毛皮質の中心部には、髄質と呼ばれる中心軸があります。産毛は、髄質が無いことを除けば、硬毛とほぼ同じです。成人男性の顔には、6,000~25,000本の円形または楕円形状の硬毛が存在しています。髭が伸びる速さには、かなり個人差があり、また場所によっても異なりますが、髭は24時間に平均0.4mm程度の速さで伸び銅線と同じ硬さがあります。
また、髭の分布は一様ではありません。
最も毛が少ないのは、頬の下側(18~36cm2)の部分で、最も濃密に生えているのは上唇部の上方(75~110cm2)です。一般に、毛は皮膚表面から30~60度の角度で生えています。ほとんどの毛は、皮脂腺と関係しており、毛はそこから分泌される油脂で覆われています。
毛の重要な特性は、水に濡れると柔軟になることです。濡れた毛の強さは、乾燥した毛の強さの1/2~1/3に低下し、これがカミソリ刃を長持ちさせる快適な剃り心地に影響を与える要因となっています。
したがって、髭剃り前の皮膚処理は、シェービングの重要な要素であり、毛の表面を覆っている油脂分を取り除いて、水の浸透を促して毛を柔軟にするといった適切な処理を行えば、快適な髭剃りができるわけです。
マイクロスコープで見たヒゲ
肉眼では見ることのできない、ミリ単位以下のものをマイクロスコープで見てみました。まずは、髭です。きちんと剃ったと思っても案外剃り残しがあったりして・・・
剃りたて(キレイな肌の表面です)
肌から飛び出ていないものの、毛根が残っている箇所も。でも肉眼ではほとんど見えません。
12時間後(ポツポツとヒゲの断面図が見えます)
朝剃って午後チェックした時の状態。少し髭が伸びてきています。肉眼でも確認できます。
14日後(髭が長いのと鋭利な刃物で切断された毛先がわかります)
2週間伸ばした状態。毛先の断面もはっきりと見ることができます。
【参考】カミソリ倶楽部で販売している、イタリア製のブラシの毛先です。アナグマの天然毛。シェービングブラシを肌に当てると毛穴に毛先が入り込み、汚れをしっかりかきだします。
皮膚について
皮膚の断面
肌は決して滑らかではなく、場所によって弾力も異なります。皮膚は薄い表皮とその下の厚い真皮の二層から構成されており、毛根は真皮の中にあります。表皮は、さらにいくつかの層に分かれています。角質層は常に剥がれ落ちている死んだ細胞から構成されており、水を使うウェット・シェービングは、この死んだ細胞をきわめて効率よく取り除きます。剃り屑を分析してみると、毛とほぼ同量の皮膚屑片が認められます。
新しい細胞は、表皮の下方から増殖して、約10~20日間で皮膚の表面に達します。したがって、私達が目にする皮膚は、生まれてから20日以下のものといえます。
4日間鬚を剃らずに伸ばして剃った結果
カミソリで剃る事により髭と同時に古い角質も剃り落とし新しいみずみずしい肌が出てきます。
肌は決して滑らかでなく、場所によって弾力性も異なります。
皮膚は、薄い表皮とその下の厚い真皮の二層から構成されており、毛根は真皮の中にあります。
表皮は、さらにいくつかの層に分かれています。角質層は、常に剥がれ落ちている死んだ細胞から構成されており、水を使うウェット・シェービングは、この死んだ細胞をきわめて効率よく取り除きます。
剃り屑を分析してみると、毛とほぼ同僚の皮膚屑片が認められます。
新しい細胞は下方から増殖して、約10日~20間で皮膚の表面に達します。
従って目にする皮膚は、生まれて20日以下のものと言えます。
髭剃り後は、アフターシェーブローションか乳液を使用するとスベスベのお肌の状態が持続します。
髭剃り後
夕方になるとヒゲが青く見えるのはなぜ?
朝、ヒゲソリをしても夕方にはうっすらと髭が生えてきて青っぽくなりがちです。ではなぜ髭が青く見えるのか?
それは体毛の色素に理由があります。日本人の場合は青っぽく見えますが、海外の方の場合はブラウンカラーや真っ黒という場合もあります。
髭が伸びる時間帯ですが朝の6時~10時くらいが一番伸びると言われています。
平均ですがお仕事をされている方は朝6時半~7時半くらいにシェービングをしますのでそれからまた髭は伸びていきます。朝、しっかりシェービングしても夕方に青くなるのは人間の自然の原理があるからです。
また海外では夕方のうっすらのびた髭の事を「5 o’clock Shadow」と言い直訳すると「5時からの影」と言われています。
青くなってしまうのにお困りの方はお昼過ぎにきちんとシェービングをするか、夕方前に電気シェーバーなどで簡易的に処置するのも良いかもしれませんね。
カミソリの刃の薄さは0.08mm
カミソリの刃先は、いったいどのくらいの厚みがあるものなのでしょうか。有名メーカーのカミソリのステンレス鋼の刃先を調べてみると、両刃や二枚刃は0.08~0.1mm厚が標準で、インジェクターは0.5mm厚、最も厚い片刃でも1.3mm程度です。
ヒゲに接する刃先は、10万分の1mmという気の遠くなるような薄型で、そのあたる刃先を750枚分重ねると、やっと新聞紙の厚さになるといわれています。
また、刃先の角度についても、さまざまな研究がおこなわれてきました。
例えば、0.1mm厚のステンレス鋼板に20度の刃を付けるとします。この時の刃面の長さは0.28mmとなります。日本人のヒゲの平均直径は0.08mmと言われますので、0.28mmの長さの刃面でヒゲを剃ろうとすると、刃面はヒゲの直径の3倍以上になり、摩擦幅が大きくなって切れ味が悪くなります。
切れ味をよくするためには、刃面の長さがヒゲの直径にあたる程度に調整していきます。刃先の角度・刃面の長さは、各メーカーによって異なりますが、刃先の角度が16~24度程度、刃面の長さはヒゲの直径の1/4、0.02mmぐらいが標準です。
その刃先も3つの面にて構成されており、天より荒研削、細研削、微細研削(刃先)の研削角度により鋭利で耐久性の高い刃先になっており、刃先にスパックリングと呼ばれる硬質金属の層をコーティングし一層の耐久性を有し尚かつポリマーコーティングを溶着し刃と髭の剃る時の摩擦を減らしソフトな剃り味と長切れを同時に得る工夫にしてあります。
上記文献は1995年であり、現在の替刃の薄さはもっともっと薄く各メーカーによってコーティングがされている刃もございます。
最近は4枚刃・5枚刃の最新式のカミソリが普及しておりますが、剃り屑を除去するクリーニング機構、一層の切味をスムーズにするスムーサー付の替刃が販売されています。
替刃の刃先もより切れ味を追求しもっと薄くなっており薄さの表示する単位がなんと!オングストロームだそうです。
深剃りの追求から刃の枚数の多い替刃は肌に優しい剃り味まで考えて作られています。
何気なく見えるカミソリの刃にも精密な工夫と配慮がなされているのです。
カミソリホルダーは重さが大事
よく「ホテルに設置してあるカミソリを使用したらカミソリ負けをした」というお客様からのお話を聞きます。これはカミソリの刃が悪いのでなくカミソリのホルダーの重さに関係があるのです。
適度な重さがあるホルダーを使用すれば、カミソリ全体の重さで髭を剃り落とすので、肌に与える圧力が必要以上にかかりません。
それに対し、軽いホルダーですとホルダーの重みではなく、手によってホルダーに伝える力が大きく、必要以上の圧力が肌にかかります。手元が安定しないため、知らず知らずに髭と一緒に必要以上の皮膚を削り落としてしまうのです。
軽いホルダーを使用する時はなるべく力を加えない事を意識するとカミソリ負けを防ぎ心地よく仕上げることができます。 また、この際も肌の弱い方への逆剃りはおすすめしません。
ヒゲを毎日伸ばして顔の変化を観察するブログ!