両刃カミソリで至福の時間を堪能する~その魅力やカミソリ負けの防ぎ方
安全カミソリの原型でもある両刃カミソリ
両刃カミソリの誕生
1903年 キング・C・ジレットがはじめて開発した安全カミソリの原型である両刃(一枚刃)カミソリ。髭剃り本来の醍醐味を味わうのであればこのカミソリを使わずにして語れないと言っても過言ではありません。
当時のT型カミソリは、刃先が鈍ってくるといちいち研ぎに出さなければならないめんどうなものでしたが、C・ジレットは、ある日、ヒゲを剃っているときに、使い捨ての替刃の安全カミソリを着想したと言われています。(中略) 技術的な完成を見るまでには、それから10年近い歳月を必要としたといわれています。
ジレットの安全カミソリが急速に普及したのは、第一次大戦が起こったことによります。アメリカ政府から軍需品としてジレットの安全カミソリが350万本、替刃3600万枚が受注され、アメリカ兵とともに世界各地に運ばれていったのです。
竹内康起(カミソリ倶楽部代表取締役) / カミソリ史記より引用
当時は片刃しかなかった替刃を両方に刃をつけて、両方でヒゲがそれるようにしました。ヒゲを剃る時も角度を気にすることなく、刃を頬に当てるだけで簡単に剃ることが出来たことでしょう。
当時はカミソリも替刃も大変高価で替刃は炭素鋼でした。現在の替刃はステンレス製ですのでサビに強くなりましたが、昔はカミソリも替刃も使い終わると丁寧に拭き替刃は油紙に戻さないとすぐに錆びてしまい、保管に気をつかったそうです。
1965年、SCHICKは観音開き式(バタフライオープン)カミソリを発売。
今からすでに50年以上前のカミソリです。
樹脂とメタルで作られていて適度な重厚感があり、ケースもハードケースに収納できます。
当時は決して安価ではなかったカミソリ。大切なメンズの必須ツールだったのが見てわかります。
両刃カミソリの魅力と特徴
両刃カミソリはカミソリ負けしやすいのが難点ですが、慣れるとダイレクトに「ジョリジョリ」と手に振動する音と肌の上を滑らかに走る一枚刃に魅了されます。
一方で刃の枚数の増えた今のカミソリに比べて、ダイレクトに1枚の刃が肌に当たるのでカミソリ負けをしやすいのも確かです。それだけ一手間、二手間と時間をかけなければならない伝統的な(クラシカル)な髭剃りです。(お肌が荒れている時のご使用は避けたほうがよいです。)
有名メーカーのカミソリのステンレス鋼の刃先を調べてみると、両刃カミソリの刃先は0.08~0.1mm厚が標準。カミソリ上部はネジ式で外れるようになっておりカミソリ一枚の刃を挟むようにして装着します。そこから刃が出てきますので両側からの刃、両刃となります。
両刃(一枚刃)シェービングのポイント
ここでは、プロの理容師をモデルに、安全で快適な両刃(一枚刃)でのシェービングのコツとカミソリの使い方のポイントをお伝えします。
1、プレシェーブをきちんと行いましょう
カミソリ負けをふせぐポイントの大半はここにあるといえます!肌とヒゲに水分をしっかりと与えることが必要です。
ヒゲは銅線と同じ硬さがあり毛の奥には空胞という空気の層があります。水分を与えてあげることにより空気の層に水分が入り約40%膨張し切断されやすくなります。
早く浸透させるにはお湯が最適といえます。蒸しタオルをご自宅で作って見るのもおすすめです。
下記サイトより自宅での簡単蒸しタオルの作り方を紹介しています。
時間をかけてじっくりと髭剃りの儀式を愉しむのであれば先代から継承されている蒸しタオルで顔全体を温めてみてはいかがですか
2、潤滑剤を必ず使用する。ブラシで泡立てるのもおすすめ
近年はシェービングブラシとソープを使ってつくっていた泡から進化したシェービングフォームやジェルを潤滑剤にするのが一般的です。もちろん、フォームやジェルを使うのも構いません、その際は、しっかりとお肌になじませてあげることが大切です。
先人から受け継がれるシェービングブラシは今でも理容店で使われております。ホカホカの蒸しタオルの後にシャカシャカと泡だてられたブラシが顔の上で円を描くように回されるのって気持ちいいい至福の時間ですよね。
気持ちいいのは勿論ですが、ブラシにはキチンとした意味があります。
▼シェービングブラシ(ヒゲブラシ)の特徴
- ブラシの毛できめ細かい泡を立てる事ができる
- ブラシの毛先が汚れを掻き出しながら表面の皮膚とヒゲを柔らかくする
- ブラシの毛先で皮膚の表面をマッサージをする
しっかりとヒゲ部分に泡をつけたら髭剃りを行います。泡はヒゲとカミソリの潤滑剤でカミソリ負けを軽減する大事なマストアイテムです!髭剃りは泡と水分のバランスが必要ですので必ず塗りましょう。
3、両刃カミソリは剃る角度を自分で調整します
剃り方のコツは、カミソリを押し当てるのではなくカミソリの重さで優しく剃り落としていく感じです。 アタリがわかりましたら頬から下にかけて剃り落とします。
最初は「順剃り」。頬から下、顎から顎下と上から下にかけて剃り落としていきましょう。下から上に剃り上げる「逆剃り」を最初からすると、カミソリ負けの原因のひとつになりやすいので注意してください。
ヒゲは銅線と同じ硬さがあります。長いヒゲは薄いカミソリの刃にとっては相当な抵抗力となり剃る時と同時に皮膚も持ち上げてしまい同時に剃ってしまいます。それもカミソリ負けの原因となります。
深剃りをしたい方は ここから下から上へと逆剃りをしましょう。ただし、力は入れずに優しく剃り上げます。お肌が弱い方は順剃りだけで止めておきましょう。
4、肌はしっかりと濯ぎましょう
ヒゲを剃りましたら石鹸とヒゲをしっかりとお湯で濯ぎましょう。
よく映画で目にするヒゲ剃り後、そのままタオルで拭き取ってフィニッシュ!の光景を目にしますが、肌にはよくありません。肌にトラブルが起きてしまうとそれもまたカミソリ負けの原因にもなります。しっかりと濯ぎ清潔にしておく事を心がけましょう。
5、アフターケアはしっかりと
カミソリはご存知の通り鋭利な刃物を顔につけて行ういわゆる儀式です。儀式の終盤はしっかりと行う事が大切。
鋭利な刃物を肌に当てるとどうしても目には見えない小さな傷や血が吹いてしまう事もあります。アフターシェーブをしてお肌のコンディションを整えてあげましょう。
センシティブな方は乳液などアルコールフリータイプがおすすめです。冬場は乳液はジェルタイプで保湿効果のあるタイプをオススメいたします。
乾燥する時期はしっかりと保湿をしてお肌の水分を保ってあげましょう。
ウェットシェービングは毎日カミソリ負けと隣り合わせですよね。
これは切っても切れない縁です。
なので、毎日のデイリーケアでなるべくカミソリ負けが軽減できるように付き合っていきましょう。
6、両刃カミソリの替刃交換時期とお手入れは?
両刃カミソリの替刃の交換時期は人によって正直違います。ヒゲの濃さや生えている面積など違うからです。
お客様からのご質問で使用後にタオルで替刃の水分を拭いてあげると長持ちしますか?とありました。
今の時代、昔の炭素鋼みたいに錆びやすいタイプではなく替刃の素材はステンレス製ですので錆びにくいですので、特に拭かなくて問題はございません。
長持ちの秘訣はヒゲに水分をしっかりと与えて刃先の負担を軽減させるのが得策かと思います。
替刃の交換目安ですが、10日~14日間が宜しいでしょう。あくまでも自分自身が実際使用しての見解ですので目安としてみてください。
カミソリ倶楽部オリジナル両刃カミソリ
カミソリ倶楽部では、イタリアの工房に特注生産を依頼したオリジナル両刃カミソリを公式サイトで販売しています。
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