プロ理容師が教えるウェットシェービング(髭剃り)のコツ
プロの理容師が教えます、きちんとした朝のひげ剃りとカミソリのこと。
ちょっとしたヒントと工夫で肌が喜ぶシェービングを行うことができます。
ご紹介するのは、先人から継承されるクラシカルシェービング術ですのでシェービングブラシ(ヒゲブラシ)などを使った時間を必要とする髭剃りでもありますが、ちょっとしたコツと少しの時間を使うことで朝の髭剃りが快適になることでしょう。
「ドライシェービング」と「ウェットシェービング」
ウェットシェービングとはカミソリを使った水を必要とする髭剃りであり、対して水を使わない髭剃りをドライシェービングと言います。ウェットシェービングは刃物を直に肌に充て鋭利な刃でヒゲと同時に古い角質も剃り落とすことができますが、キチンと水分を肌に含まないとカミソリ負けを引き起こす原因となります。
一方、ドライシェービングはスポット状に穴が空いてある網刃の中にヒゲを入れ高速モーターで回転する刃によって切断します。正しくは剃るではなく芝刈りのように刈るというイメージになります。
1.朝起きて水分をとってから20分
ウェットシェービングは起床してすぐに行うのではなく、コップ一杯の水を飲み体全体に水分を与えてあげてから(起きてから20分位後がベスト)行うのがおすすめです。
朝の肌は水分が不足しがちです。体内から水分を与える事により鋭利な刃物であるカミソリが肌に与えるダメージを軽減させます。
2. 髭に水分を与える
髭は濡れると大変軟らかくなりますが、水分を冷水で含ませるか温水で含ませるかで、時間が違ってきます。吸水性がいいのはやはり温水で、軟らかくなるのも早いです。3分程温水を含ませるのが理想です。また、ヒゲは水分を含むと約40%膨張し、切断しやすくなり刃に対する負担も軽減されます。
3. 肌に直接刃をあてない
石鹸・シェービングクリーム・シェービングフォームを使用します。何も付けない状態で肌にカミソリを充てる行為は肌荒れの原因にもなりますので必ず付けましょう。
ここでは、石鹸とシェービングブラシを使う方法をご紹介します。石鹸はお肌の汚れを落とせる上に、カミソリが肌にあたる際の潤滑剤としても役立ちます。
ぬるま湯でカップまたは手の平の上の石鹸を溶き、アナグマ毛のシェービングブラシを使って顔の上で泡を立てます。
石鹸をよく擦り込んだブラシで、頬の上を円を描くようにして泡立てていきます。
この行程は単に泡を作るだけでなく、ブラシで毛穴の奥の汚れを掻き出しながら髭の奥まで水分を含ませるので深剃りが効くようになります。またブラシの毛先が肌の表面をマッサージする事で、新陳代謝が活発になり、みずみずしい健康な肌を維持します。
4. 上から下へヒゲのはえている方向へ「順剃り」
カミソリは余分な力を入れずに頬の上からあごの下にかけて滑らせるように、髭の向きに沿って剃り落していきます。『頬・アゴ・モミアゲの下・鼻の下・フェイスラインの硬いヒゲ』なども始めのひと剃りは必ず髭の向きに沿って剃り落としてください。
いきなり逆目に刃を当てると、カミソリの刃に必要以上の抵抗が発生し皮膚が引っ張られてしまいます。引っ張られた皮膚は髭と一緒に削られてしまうこともあり、カミソリ負けの原因となります。
5. 下から上へ「逆剃り」
全体を上から下にそり落としたら、剃り残しが気になるところを、今度は下から上に毛の流れに逆らって『逆剃り』してください。『逆剃り』を行う場合は、もう一度潤滑剤である石鹸を肌につけてから行い、できるだけ肌にムダなダメージをあたえないようにピンポイントで剃りましょう。
【ワンポイント】
使い捨ての軽いカミソリで剃った場合、意図しない力の強弱で剃り残りが発生し、それをカバーするための過剰な逆剃りをおこなってしまうことがあります。これも肌を痛め、カミソリ負けを起こす原因となります。適度に重みのあるカミソリを使って手元を安定させ、一定の圧力でキレイに髭を剃り落とし『逆剃り』を最小限にとどめることは、肌を痛めずカミソリ負けをさせない大きなポイントになります。
カミソリの重さを感じて、一定の圧力で剃り落とすことを心がけてみてください。
6. アフターケアを忘れずに
外国の映画などではひげ剃りが終わるとそのままタオルで拭き取るシーンがありますが、これはNGです。
剃り落した髭が泡に付着しているのをタオルだけでは拭き取る事はできません。不衛生ですし、石鹸の成分が顔に付着しているので肌荒れ・吹き出物の原因にもなります。ひげ剃りの後は、必ずお湯・ぬるま湯で顔をすすぎましょう。
ひげ剃り後の肌は石鹸により顔の脂分が不足し、またカミソリにより僅かながらでも肌に細かい傷がついているものです。
夏場は殺菌性の強いアルコール性のアフターローションでお肌を引き締めるのもいいですし、お肌が敏感な方はアルコールフリーのローション、もしくはミルクできちんとケアをする事をお奨めします。カミソリ倶楽部からオススメする製品は、オールドスパイス アフターシェーブフレッシュです。冬場のさらに乾燥している時期は保湿性のある乳液タイプを選び、特に口元の周りは擦り込むように念入りに塗布すると良いでしょう。
肌の敏感な方、丈夫な方は人それぞれです。しっかりとご自分の肌を理解して、きちんとケアすることをおすすめ致します。
上記に記した通り、個人差と状況によって刃の寿命は大きく違ってきます。まずご自身にあうでカミソリを求めてご自身の剃り味感を確認し、刃の寿命を見分けいただく事が最大の要素となります。私の場合ですが、上記の事を行い、大体2週間に一度の割合で交換しております。皆様も参考にしていただき、より長く替刃が持つ様なシェービングをしていただければと思います。
ヒゲ倶楽部 関 邦彦
BARNEYS BARBER’S SHOP by KAMISORICLUB148
シニアバーバー
横浜綱島 STANDARD 代表
http://standard-sk.com/
監修
カミソリ倶楽部 竹内教起
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